地域の工務店がつくる家には、木材への強いこだわりがあります。
昔から「適材適所」と言われるように、家のどの部分にどんな木を使うかは明確な理由があります。
工務店の家づくりは、まさにこの「適材適所」を大切にした家づくりです。
柱（はしら）
柱には杉や桧（ひのき）の乾燥材（KD材）を利用します。
乾燥させた木材は、反り・曲がり・痩せが少なく、家が建ってからも壁が浮きにくいというメリットがあります。
また、強度が必要な「通し柱」には集成材を利用することもあります。
梁（はり）桁（けた）
梁や桁には用途に応じて、さまざまな材料を使い分けます。
・米松（べいまつ）の無垢材
・集成材（薄い板を重ねて強化した材料）
・赤松の集成材
・小さな部材には杉の無垢材
それぞれの特性を見極め、「強く・長く持つ家」に必要な材料を選んでいます。
土台（どだい）大引き（おおびき）根太（ねだ）
土台には桧（ひのき）が選ばれることが多いです。
桧はシロアリに強く、粘りがあり、柱のめり込みにくい木材です。
大引きや根太には杉を使用。
コストを抑えるために乾燥前の「グリーン材」を使うこともあります。
最近は根太を使わずに、厚い合板で床を強くする工法も増えています。
筋違（すじかい）間柱（まばしら）
筋違や間柱には杉が用いられることが多いです。
プレカットによって工場で正確に加工することで現場作業を効率しています。
棟木（むなぎ）母屋（もや）軒桁（のきけた）小屋束（こやづか）
屋根裏に使う材も杉が中心。
こちらもコストや用途に応じてグリーン材を利用することがあります。
垂木（たるき）野地板（のじいた）
垂木はプレカットで加工されることが増え、
野地板の代わりに屋根合板を利用することで、より強度の強い屋根を作るケースもあります。
プレカットとは？
工務店の家でも、主要な構造部分は工場で加工（プレカット）されます。
写真のように、木材の先端や側面を精密に加工し、
現場では「プラモデルを組み立てる」ように短時間で家の骨組みが完成します。
◉ 株式会社富建 東彼杵プレカット工場 のこだわり
多くの工務店は、信頼できるプレカット工場と提携しています。
富健・東彼杵プレカット工場では、
・最新鋭の加工機
・熟練技術者の目で木材のクセを１本ずつ確認
・無垢材でも正確に加工
・木材本来の強さを引き出す加工精度
といった体制で、高品質な構造材を提供しています。
無垢材はクセや微妙な反りがあるため、加工前に「最適な向き」を見極めて正確に加工することが大切です。
CADによる設計・構造も同時に行う
プレカットのデータはCADでつくられ、次のような計算も同時に行われます。
・耐震計算
・建物の重心
・柱の直下率（強い家に必要な柱配置か）
家の安全性を裏付ける大切な工程です。
昔に比べて大幅に効率化
20～30年前は40坪ほどの家の木材を大工さんがすべて手作業で加工していたため、
約40日かかっていました。
今ではプレカットにより、同規模の家でも5～6時間程度で加工が完了。
斜めの梁など複雑な加工も機械で対応できるようになり、精度とスピードが更に向上しています。
プレカット加工の種類
- 柱・束：柱加工機
- 梁・桁等：横架材加工機
- 筋違・間柱・垂木等：羽柄材加工機
- 合板：合板加工機