
お客様と家づくりのお話をしていると、まず話題になるのが『建設費』
もちろん、できるだけ低コストで家を建てたいという方が多いです。
みなさんは住宅Aと住宅Bとどちらを選ばれますか?
しかし、実際に重要なのは建てた後に毎月かかるお金(ランニングコスト)です。
建設費が高くても、生活にはあまり影響しませんが、毎月1,000円の差が35年続くと大きな違いになります。
建設費は”氷山の一角 “
実は、家にかかるお金の中で、建設費はほんの一部に過ぎません。
見えにくいコスト
1.税金(固定資産税など)
2.金利(住宅ローンの総支払額は想像以上に大きい)
3.光熱費(電気・水道・ガスで月3万円なら、35年ローンで1.000万円分相当!)
4.保険料(火災・地震・瑕疵保険など)
5.メンテナンス費用(屋根や外壁の塗装、畳や障子の張り替え、床の表面処理など)
6.修繕費
7.リフォーム費用(メンテナンス+修繕+リフォームで年間平均30万円というデータも)
8.解体費用(最終的には何百万円)
見えないコスト
1.生活動線の悪さによるストレス
2.災害による損害リスク
3.事情によって住めなくなる可能性(転勤・売却など)
4.金利上昇による返済額アップ
5.住宅性能の低さによる医療費・体調不良
ランニングコストを下げる方法
建設費のわずかな差より、
「見えにくい・見えない」をおさえるほうが全体の支出は下がります。
①国の認定基準で家を建てる
長期優良住宅、ZEH、省令準耐火などにすることで、さまざまなコストが下がる可能性があります。
【下がるコスト例】
金利(フラット35)、税金(住宅ローン減税)、光熱費、火災・地震保険、修繕費、災害リスク、医療費
②メンテナンスの少ない素材を選ぶ
初期コストは少し上がっても、結果的にメンテナンス費が安く済む場合があります。
外壁

光触媒系の外装板や高耐久コーキングなら30年ほぼメンテナンス不要のことも。
屋根

約10年ごとに30万円~70万円ほど。
陶器の瓦を選べば30年以上メンテナンス不要になる場合も。
住宅設備機器

汚れが付きにくい設備を選ぶと掃除・交換の頻度が減ります。
たとえ初期費用が150万円アップしても、月々の支払い増は4千円程度(35年ローン、金利1.2%の場合)
※各金額は一般的な大きさ、形状の住宅を想定しており、価格を保証するものではありません。
過度なローコスト住宅は注意
建設費を下げる方法には3つしかありません。
| ①材料費を削る |
| ②職人さんへの費用(施工費)を削る |
| ③会社の利益を削る |
どれもやりすぎると問題が起こります。
①材料費を削る
→将来のメンテナンス代が高くなる。
②施工費を削る
→職人の質や工事の丁寧さに影響
③利益を削る
→会社が維持できずに、
アフターが不安定に
家にも「適正価格」があります。安いだけで選ぶと、結果的に損することも。
大きな買い物だからこそ、「安物買いの銭失い」にならない家づくりを大切にしたいですね。

